「日本の漫画を、文化のまま世界へ」

――翻訳・マーケティングから出版の未来を考えた進路選択
明治大学経営学部 指定校推薦 合格


志の核|漫画を“翻訳”ではなく“文化”として届けたい

彼の進路の軸は、日本の漫画を、日本語特有の表現や行間のニュアンスを損なうことなく世界に届けることでした。
単なる語学力ではなく、文化理解・マーケティング・国際ビジネスの視点を組み合わせることで、日本の出版業界の海外収益向上に貢献したいという明確な目標を持っていました。

高校時代に参加した編集体験ワークショップで、出版物は言語を超えると同時に、価値観の違いに極めて慎重な配慮が求められる文化産業であることを実感したことが、この志の原点です。


問題意識|海賊版1兆円市場という現実

彼が強い危機感を抱いたのは、日本の漫画業界が抱える海外海賊版問題でした。
慎重な海外展開の結果、正規翻訳版の供給が限られ、無断翻訳された海賊版による被害額は年間約1兆円規模に及んでいます。

彼はこれを「取り締まり」だけの問題としてではなく、
価格設定・支払い方法・情報発信の不足という“経営課題”として捉えました。
SNSや公式サイトを活用し、正規版を“選びやすくする仕組み”を整えることが、結果として海賊版利用の抑制につながるのではないかという仮説を立てています。


高校での積み重ね|言語・歴史・リーダーシップ

学習面では、英検対策を通じて英語を得意科目にし、翻訳漫画をきっかけに日本と海外の価値観の違いを調べるようになりました。
英語ニュースや海外メディアにも触れ、世界の出来事を自分の視点で捉える力を養ってきました。

また、世界史の学習では、帝国主義や植民地政策が現代の国際関係や文化摩擦に与えた影響を探究し、言語と文化、歴史が密接につながっていることを実感しました。

課外活動では、インターアクト部部長とテニス部副部長を兼任し、組織をまとめる難しさと責任を経験。学習と活動を両立させながら、計画を立ててやり切る力を身につけました。

探究活動と実践|現場に出ることで見えた価値

高校独自のグローカル探究では、地元の鵜飼文化をテーマに調査を行い、市職員や鵜匠へのインタビューを実施しました。
現地に足を運び、自分の目と耳で情報を得ることでしか見えない価値があることを学びました。

ポスター発表ではリーダーとして議論を調整し、複数の意見を統合して結論へ導く役割を担いました。この経験は、後の対外調整や合意形成の基盤となっています。


志望動機を決定づけた経験|翻訳ボランティアと対外調整

志望理由を決定づけたのが、日本の絵本を翻訳し、海外の子どもたちに届けるボランティア活動でした。
言葉を通じて文化が伝わる力を実感し、「日本の良質なコンテンツを世界に届ける意義」を強く意識するようになります。

さらに、部長として外部ボランティア団体や学校側との打ち合わせを行い、活動内容の調整や合意形成に携わりました。
年齢や立場の異なる相手と意見をすり合わせる難しさを経験したことが、国際経営への関心とリーダーシップ意識を明確にしました。


なぜ明治大学 経営学部なのか

彼が明治大学経営学部を志望した理由は、
文化産業を「好き」だけで終わらせず、ビジネスとして持続可能に発展させる視点を体系的に学べる点にあります。

クリエイティブ産業の構造や国際貿易論を学び、将来は海外との交渉の最前線に立てる力を身につけたいと考えています。


合格の決め手|関心を「経営の問い」に変えた点

彼の指定校推薦が評価された最大の理由は、
「漫画が好き」という関心を、
市場構造・収益モデル・国際展開という経営の問いへ昇華していた点にあります。

文化への愛着と冷静なビジネス視点を両立させた姿勢が、明治大学経営学部の求める学生像と合致していました。


これから|日本の出版を“世界で戦える産業”へ

彼は今後、漫画の海外展開を可能にする翻訳・マーケティングの仕組みを検証し、国ごとに最適なモデルを構築することで、日本の出版業界の安定的な海外収益確立に貢献したいと考えています。

文化を守るために、経営を学ぶ。
その選択が、彼の大学進学と将来をつないでいます。