「韓国人だと言うな」祖母の言葉から始まった、アイデンティティの探求。在日韓国人としての葛藤を「多文化共生」の武器に変え、立教大学 社会学部に逆転合格!

「東京の難関大学に行きたい。でも、机に向かって勉強し続けるのは苦手……」 そんな素直な動機からスタートした彼女の受験。ですが、自己分析を進める中で、彼女の心の奥底に眠っていた「どうしても解決したい社会課題」が熱を帯び始めます。

小学4年生の時、自分のルーツを知った彼女に祖母が告げたのは、「韓国人であることは絶対に口外するな」という衝撃的な言葉。自分の一部を否定されるような痛み。 「なぜ、複数の国にルーツを持つだけで、こんなにも生きにくいのか?」 その個人的な悩みを、カナダ留学や国内の外国人支援の現場へと繋げ、その問題意識を大学にぶつけることを決意します。

決して甘くはなかった総合型選抜の真相

しかし、総合型選抜も決して甘い戦いではありませんでした。彼女の前にまず立ちはだかったのは、出願の前提条件となる「英語資格」です。

そもそも立教大学の出願要件を満たすためには、英検準1級相当のスコアを取る必要があります。しかし、これがなかなか高い壁で、英検準1級を何度もチャレンジしましたが、そのたびに跳ね返される日々。今だから言えるそうですが、一時は「もう大学受験を諦めるしかないのかもしれない」と挫折しかけたこともあったようです

それでも、リザプロの講師陣や家族の励ましに支えられ、執念で学習を継続。コツコツ努力を積み重ねた結果、ついにIELTS 5.5(英検準1級相当)を取得します。こうして彼女は、憧れだった立教大学への「挑戦権」を勝ち取ります。

カナダと岡山で見た「多文化共生」の理想と現実

金山さんの頑張りは、何も英語だけにとどまることはなく、「多文化共生社会」実現に向け、現場にも足を運ぶようになります。

まず1つ目は、カナダ短期留学。 多文化共生の先進国とされるカナダ。しかし現地の家庭に入ると、移民家族が長時間労働で分断され、親世代と子世代で価値観の摩擦に苦しむ現実を耳にしました。「制度があれば幸せになれるわけではない」という、生々しい現実を目の当たりにしました。

次に2つ目は、岡山県瀬戸内市でのフィールドワークです。 日本語学校「日本ITビジネスカレッジ」を訪れ、留学生の生の声を取材。そこで聞いたのは、「住民から差別的な視線を感じる」「部屋を借りにくい」という切実な声でした。

「排除は、個人の意識の問題だけでなく、社会の構造の問題だ」 この気づきが、彼女を「ただの支援者」ではなく、「社会構造を分析する研究者」の視点へと押し上げ、最終的には立教大学へ進学できました!

留学やフィールドワークなど、リザプロ主催のイベントに主体的に参加し、着々と経験を積み重ねていきました。

「生きづらさ」を「多様性の力」へ変えるコーディネーターへ

そして、合格を勝ち取った最大の要因は、自身の「痛み」を社会的な「課題」へと抽象化し、それを解決するための「学び」を立教大学のカリキュラムと完璧にマッチングさせたことです。

かつて祖母に言われた「隠すべきこと」は、今やHさんにとって「社会を変えるための架け橋」となりました。 「複数の国にルーツを持つことが、生きづらさではなく、多様性の力として尊重される社会を作りたい」 その決意は、面接官の心に深く響きました。

立教大学で学びを深め、将来、彼女は地域社会と外国人を繋ぐコーディネーターとして、文化の壁をなくし、誰も取り残されない社会を作ることを目指しているそうです。