ロシアの「本当の顔」を知りたくて。ウクライナ戦争報道から始まった、国際文化への旅

「世界は一つの見方じゃ理解できない」——法政大学国際文化学部に合格した大澤一紗くん。ニュース映像を通じて感じた違和感が、やがて学問的な探究へと変わり、ジャーナリストとの出会い、アメリカ留学での議論を経て、「報道の多様性」というテーマに辿り着きました。成績不振や不安を乗り越え、多角的思考を武器に掴んだ合格の軌跡をご紹介します。

「なぜ停戦が実現しないのか」——テレビの画面から始まった違和感

大澤一紗くんが「世界の見え方」に違和感を持ったのは、ロシアとウクライナの戦争がニュースで大きく報じられていた時期でした。

毎日のようにテレビから流れる戦争報道。しかし、世界中が協力して停戦を求めているはずなのに、なぜか戦争は終わらない。その理由をテレビ画面だけから理解することはできませんでした。

「学校の成績も特別良かったわけじゃない。でも、この疑問だけは拭えなかった」と大澤くんは振り返ります。

その疑問が、やがて彼の人生を大きく変える出会いへと繋がることになります。

ジャーナリストの言葉が教えてくれたこと:「報道=事実」ではない

リザプロのプログラムに参加し、ジャーナリストの五十嵐哲郎氏のお話を聞く機会を得た時、大澤くんの世界観は一変しました。

「即時投稿は居場所特定につながり、兵士の命を危険にさらす」

五十嵐氏が強調したのは、現場から報道する責任の重さ。大澤くんがテレビで見ていた「今」は、実は綿密に選別された情報だったのです。

「報道とは、決して『事実をそのまま伝えるもの』ではなく、現場の現実から何かを取捨選択し、意図を持って構成されたものなんだ」

この気づきは、彼の学問的なテーマへと繋がっていきます。

さらに五十嵐氏は、各国の報道内容が大きく異なることを指摘しました。同じ「ウクライナ侵攻」という出来事でも、その国の歴史や外交的立場によって、まったく異なる角度から語られているのです。

「国際関係を映す鏡とも言えるメディア報道。でも日本では自国の視点に留まった報道が大多数。そこに大きな課題を感じた」

アメリカ留学での「衝撃」:同じニュースなのに全く違う見方

この学びをより深く体験することになったのが、アメリカ短期留学でした。

ホストファミリーとの日常会話の中で、ある国際問題について議論した時のこと。同じニュースを見ているはずなのに、大澤くんとホストファミリーの見解は大きく異なっていたのです。

「その背景にあったのは、日米の報道内容そのものの違い、そして論点の強調に生じた大きなズレ。これこそが、『各国のメディアは自国の歴史・文化・政治的立場に深く根ざして、独自の情報を構築している』ことの証だったんです」

この体験を通じて、大澤くんは確信を持ちました。

「『事実』は一つであっても、『報道』は多様なのだ」

「なんとなく」を「学問」へ昇華させる

多くの高校生が「留学楽しかった」「視野が広がった」で終わるところ、大澤くんは違いました。

「なぜ誤解が生まれたのか?」を突き詰め、それは報道における文化的・政治的背景の差異にあると分析。高校段階で「多角的な報道分析」というテーマを見つけ出したのです。

「各国のメディアがどのように異なるのか、その背景にある歴史や政治的立場を学びたい。そして将来は、情報が偏らず、人々が互いの社会や文化を正しく理解できる仕組みを築きたい」

この高い志が、法政大学国際文化学部の「学問としての文化分析」を学ぶ姿勢と見事に合致したのです。

志望理由書は「疑問の軌跡」を丁寧に描く

法政大学への志望理由書では、単に「国際文化に興味があります」ではなく、「ロシア・ウクライナ戦争の報道から始まった疑問」「ジャーナリストの言葉から気づいた報道の多様性」「アメリカ留学で実感した文化的背景の違い」——これら三つの体験がどう繋がり、学問的なテーマへ昇華したかを論理的に記述しました。

特に、大中一彌教授のゼミへの強い関心を示し、「ここでなら自分の疑問(文化によって情報がどのように歪められるのか)を解明できる」とアピール。

実際に合格した志望理由書の一部(志望動機)

ロシアとウクライナの戦争報道を通じて気づいたのは、報道とは「事実をそのまま伝えるもの」ではなく、各国の歴史・文化・政治的立場に根ざして選別・構成されたものだということです。アメリカ留学での経験から、このギャップが国際的な誤解や摩擦を生み出していると考えるようになりました。貴学では、こうした現象を分析し、多角的な視点から文化を理解する力を養いたいです。

「違和感」を学びに変えれば、武器になる

大澤一紗くんの勝因は、ニュース報道に感じた「違和感」を単なる疑問で終わらせず、「なぜ?」と問い続けて学問的なテーマ(国際間のメディア報道の相違)を見つけたことにあります。

成績が特に優秀だったわけではない。ジャーナリストの講演会に行ったのだって、親や学校に勧められてのことかもしれません。

でも、そこで感じた「違和感」を大切にし、留学での経験と結びつけ、やがて学問的な探究へと発展させました。

「報道の多様性」という視点から世界を見つめ直すことで、単なる「関心がある人」ではなく、「国際的な誤解を解き、相互理解を深める力を持った人材」へと成長したのです。

国際問題のニュースを見ていても、何か違和感を感じているあなた。その「なぜ?」という問いが、法政大学国際文化学部での4年間を、そして人生全体を大きく変えるきっかけになるかもしれません。