「エジプト考古学をとにかく研究したいという思いで近畿大学に合格!」

「考古学」と聞くと、テレビやドキュメンタリーの向こうの、特別な研究者の仕事のように感じる人が多いかもしれません。 しかし、大谷さんにとって、それは「現代社会が抱える情報リテラシーの問題」と直結する現実でした。
テレビなどで安易に使われる「世界初」「最古」といった不適切な表現。それに批判的な目を向けず、鵜呑みにしてしまう人々がいる現状を目の当たりにした時、彼女の心に火がつきました。「単にかっこいい」という感情だけで終わらせず、「なぜ正確な情報が伝わらないのか?」という現代社会の情報発信の核心(人々の基礎知識不足)にまで思考を深め、見事合格を勝ち取ったストーリーを紹介します!
教科書ではなく、情報過多の時代が教えてくれた「知性の痛み」
大谷さんの運命を変えたのは、情報が溢れる現代社会への疑問でした。
「世界初や最古という表現が不適切に使われている」「それを見抜ける基礎知識が多くの人に欠けている」。彼女が抱いた問題意識は、ニュースやSNSとは比べ物にならない重みがありました。
彼女は言いました。「古代エジプトを身近に感じてもらい、知識の土台をつくりたい」。しかし、現実には専門家の研究成果がそのまま一般に伝わることは少なく、情報がねじ曲げられてしまう。
「人々の知識不足さえなければ、不確かな情報に騙されずに済むのに」この強烈な原体験が、彼女を「発掘調査から展示監修まで」行うエジプト考古学者という世界へと突き動かしました。

「誤情報」の衝撃。研究の限界に切り込む
彼女の凄いところは、考古学研究を「発掘して遺物を集める」だけで終わらせなかった点です。「人々に正確な情報を伝えるためには、どうすればいい?」
彼女が注目したのは、「研究成果の多角的・多面的な解釈」と「伝達方法」の問題でした。
例えば、発掘調査の成果を過去の調査結果や他の研究者の研究結果と繋げ、遺物という一種の点から文化や社会経済という全体像を解き明かすこと。そして、その情報を展示の狙いに応じて選び、人々に分かりやすく伝えること。
「ただ真実を知るだけでなく、それを社会に貢献する形で伝えるのが考古学者の役割だ」彼女は、単に「研究したい」と叫ぶのではなく、「人々に分かりやすい展示を監修する」という具体的なアウトプットまで提言しました。この「専門知識への情熱と社会貢献への意欲のバランス」が、近畿大学文芸学部の教授陣に響いたのです。
多角的な視点で知った「古代人のリアルな生活」
彼女は、研究対象をピラミッドや王墓といった華々しい遺構に限定しませんでした。
志望理由書の中で、彼女は気づきます。「民衆から見た古代エジプトの社会」を学ぶこと、そして「幅広い階級の古代エジプト人の日常生活」を理解することの重要性。
一方的に「王族」だけがエジプトではない。私たちと同じように、生き生きと日常生活を送っていた古代エジプト人のリアルがあるからこそ、展示は魅力を持つ。
この難しさを肌で感じたからこそ、「遺物(モノ)」だけでなく「歴史(ヒトの営み)」で古代エジプトを解決したいという彼女の志は、より強固なものになりました。
近畿大学で「エジプト考古学のリアル」を学ぶ
彼女が選んだのは、古代エジプトを専門とする高橋寿光先生や、西洋古代史を専門とする石田真衣先生から多角的な視点を学べる近畿大学。
「土器」という遺物から古代エジプトの文化や社会経済を解き明かす多角的・多面的な研究手法を学ぶこと。そして、幅広い階級の人々の生活から古代エジプト史の基礎知識を習得すること。
彼女の未来予想図はすでに明確です。将来は発掘調査や研究に熱心に取り組み、講座や展覧会監修などで活躍し、社会に貢献するエジプト考古学者になる。その第一歩がここから始まります。
「お茶の間の誤情報」を「博物館の正確な知識」に変える力
半径5メートルの探究心を、社会貢献システムへ
大谷さんの合格ストーリーが教えてくれるのは、「日常の疑問こそが、世界を変えるきっかけになる」ということです。
彼女は、誤情報に惑わされる人々を知った時、「嘆こう」ではなく「正確に伝えるための研究をしよう」と考えました。普通なら「高校生には無理だ」と諦めてしまうような大きな壁(専門研究と社会への発信)に対して、真っ向から挑む姿勢。
「テレビの安易な情報」から、「発掘現場と展覧会」まで視点を飛ばせる想像力。それこそが、彼女だけの武器であり、大学が求めていた「社会に貢献できる専門的な研究人材」の姿でした。
大谷さんはきっと、研究熱心な探究心を持ち、けれど誰よりも人々に分かりやすく真実を伝える考古学者になるはずです。
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