「暗記する歴史」から「考える歴史」へ

――体験型学習で歴史教育を変えるために
上智大学 総合人間科学部 教育学科 合格

志の核|歴史を「教える」だけでなく、「教育のあり方」を変えたい

彼が目指しているのは、単に歴史を教える教員ではありません。
現在の学校現場で主流となっている、知識の伝達と暗記に偏った歴史教育に強い問題意識を持ち、「考える歴史教育」を実現する教員になることを志してきました。

史学委員会が掲げる「考える歴史」という理念が、実際の授業では十分に体現されていない現状に疑問を抱き、歴史教育そのものを変えていきたいという思いを明確に持っていました。


問題意識の背景|歴史が「覚えるだけの科目」になっている現実

彼の問題意識を決定づけたのが、NHKの原爆意識調査の結果でした。
広島・長崎への原爆投下日を正確に答えられない人が多数にのぼるという事実に触れ、「日本の歴史教育は、判断力や思考力につながっているのか」という疑問を抱きます。

この結果を単なる知識不足として片付けるのではなく、「一夜漬け・暗記科目としての歴史教育」が生み出した構造的な課題だと捉え、教育の側から変革する必要性を強く感じるようになりました。


原体験|「なぜ」を追うことの面白さに気づいた読書体験

彼が歴史を学ぶ意義を深く考えるようになったきっかけの一つが、『戦国のパノラマ図鑑』との出会いでした。
教科書では語られにくい戦乱の背景や、出来事の裏側にある「なぜ」を知ることで、歴史とは単なる事実の暗記ではなく、思考を通して理解する学問であると実感します。

この体験を通じて、「過去を知ることは、現代を生きる私たちが判断を誤らないための礎になる」という、彼自身の歴史観が形づくられていきました。


実践からの確信|体験型学習が思考力を育てる

高校生活では、その問題意識を実践に移します。
LeArchaeology代表・福田莉紗氏、長野市埋蔵文化財センターの青木一男氏の監修のもと、「松原遺跡を広めるプロジェクト」を立ち上げ、地元の小中学生約40人に向けた歴史学習活動を実施しました。

子どもたちには、遺跡について学んだ内容を漫画として表現してもらい、さらに実際の出土品に触れる体験を取り入れました。この活動を通して、「共に学ぶ」体験型の授業こそが、記憶に残り、思考力を育てる教育につながると確信します。


なぜ上智大学 教育学科なのか|理論と実践を往復できる学び

彼が「上智大学総合人間科学部教育学科」を志望した理由は、教育を理論と実践の両面から探究できる点にありました。
特に、奈須正裕教授が掲げる「子どもが楽しく、意欲的に学べる授業」という教育観に強く共感し、知識を覚えるだけでなく、応用し、考える力を育む授業について深く学びたいと考えました。

教育学・心理学・教科教育を横断的に学べるカリキュラムは、彼が目指す「考える歴史教育」を実現するための最適な環境だと感じています。


合格の決め手|問題意識・実践・大学での学びが一直線につながっていた

彼の自己推薦書が高く評価された理由は、「歴史教育を変えたい」という志が、
問題意識 → 読書体験 → 調査・実践 → 大学での学び
という一本の明確なストーリーとして描かれていた点にあります。

単なる理想論ではなく、自ら行動し、その経験から教育の本質を考え抜いてきた姿勢こそが、上智大学 教育学科合格につながった最大の要因だったと言えるでしょう。


未来へ|「考える歴史」を子どもたちへ

彼は将来、歴史教員として教壇に立ち、「暗記する歴史」ではなく「考える歴史」を子どもたちに届けることを目標としています。
上智大学の建学の精神のもとで学びを深め、他者への奉仕の心を備えた教育者として、歴史教育の改善に貢献していく決意を新たにしています。