「0-8の惨敗」から「科学的トレーニング」の探究へ!早稲田大学スポーツ科学部に合格した濵井小町さん

中学進学時の選考会落選、そして強豪相手に突きつけられた「0-8」という圧倒的な敗北。自分の無力さと世界の広さを目の当たりにした時、彼女の心に火がつきました。「悔しい」という感情だけで終わらせず、「なぜ日本人はフィジカルで劣るのか?どうすれば勝てるのか?」というスポーツの核心(バイオメカニクスと育成環境)にまで思考を深め、見事合格を勝ち取ったストーリーを紹介します!


教科書ではなく、グラウンドの屈辱が教えてくれた「本当の強さ」

濵井さんの運命を変えたのは、中学3年時のJFAアカデミー堺との対戦でした。

「3年間の努力を見せつける」。そう意気込んで挑んだ試合の結果は、0-8の大敗。かつて自分が選考で落ちたチームに対し、何もさせてもらえなかった現実。彼女は、技術だけでなくフィジカルやスピードの絶対的な差を痛感しました。

彼女は言いました。「いつかこの差を埋めて、日本一になりたい」。しかし、現実は甘くありません。高校に進学し、1年生から全国3位に貢献するも、2年時には厳しいマークに遭いスランプに。「力強いプレー」が持ち味だったはずが、自信を失いかけていました。

「フィジカルの差やスランプを、根性論だけで乗り越えるには限界がある」この強烈な原体験が、彼女を「スポーツを科学する」という世界へと突き動かしました。


「パラスポーツ」の衝撃。チームの限界に切り込む

彼女の凄いところは、スランプ脱出を「個人の練習」だけで終わらせなかった点です。「チームが勝つためには、バラバラな心を一つにしなきゃいけない。でも、どうすれば?」

高校時代、彼女のチームは喧嘩や仲間割れが絶えませんでした。そこで彼女が注目したのは、課外活動で触れた「パラスポーツの視点(心のバリア)」でした。

一般社団法人Knockuのプロジェクトに参加し、パラアスリートから「無知が生む差別や偏見」について学んだ彼女。これをチームに置き換えました。「お互いを知らないから、衝突するんだ」。

彼女は、単に「仲良くしよう」と叫ぶのではなく、プレゼンを通じて「思いやりや理解の大切さ」を論理的に伝え、さらには先輩たちの「熱いプレー動画」を使ってチームの士気を視覚的に引き上げました。この「情熱と客観的視点のバランス」が、スポーツ科学部の教授陣に響いたのです。

海外との差を知って芽生えた「科学への問い」

彼女は、自身のプレー経験を通じて気づきます。「日本人選手と海外にルーツを持つ選手の間には、フィジカルの差がある」。

一方的に「日本人は不利だ」と嘆くわけではない。育成年代の生活習慣やトレーニング環境に、文化的・教育的な要因があるはずだ。

「感覚」で体を鍛えるのではなく、「数値(データ)」で鍛える。川上教授の「バイオメカニクス」のように、筋力やスピードを科学的に解析し、日本人に合ったトレーニングを開発したい。この難しさを肌で感じたからこそ、「力(フィジカル)」を「科学(研究)」で克服したいという彼女の志は、より強固なものになりました。


早稲田大学で「スポーツ科学のリアル」を学ぶ

彼女が選んだのは、トップアスリートが集い、最先端の研究が行われる早稲田大学。

1年次からスポーツ用語を英語で学び、世界基準の視点を持つこと。そして、スポーツ文化やバイオメカニクスを専攻し、「個々の課題に適応させる科学的なトレーニング」を探究すること。

彼女の未来予想図はすでに明確です。将来は日本人選手が海外の選手と対等に渡り合える環境を実現し、感覚指導ではなく、科学的根拠に基づいた指導ができるリーダーになる。その第一歩がここから始まります。

濵井さんはきっと、誰よりも現場の悔しさを知る、けれど誰よりも冷静にデータを分析できるスポーツ科学者・指導者になるはずです。